メディチ・リッカルディ宮殿

学校帰りに「ひわの聖母」を見てきました。この宮殿は1444年にコジモ・デ・メディチがミケロッツオに設計させたフィレンツェ最初のルネサンス式邸宅で、１６世紀末にリッカルディ家が購入したためこのような合体した名称となっています。豪華な中庭のむこうにヒワの聖母公開特設会場ができていました。予想に反して誰も並んでない。空港並みのセキュリティチェックを受け、いざ中へ。これが修復後の姿です。（画像は購入した修復報告書から）。鮮やか！この絵は描かれて40年後には、飾られていた邸宅が崩壊した際バラバラになり、その後乱暴な修復と加筆が幾度も行われてきたようです。会場には修復過程のモニターや赤外線写真、Ｘ線写真などが展示され、興味津々で拝見。特に石膏地の上の最初の描線（針穴による丁寧なトレスのあと、デッサンの修正に苦心した様子）などは見てはいけないものを見てしまった気分。ラファエッロの制作過程を推測するに十分な情報量で大変勉強になりました。この邸宅には礼拝堂の小部屋もあり（撮影不可）、ゴッツォリの「ベツレヘムに向かう東方の３賢王」のフレスコ画も素晴らしかった。写真の大広間は普段はガランとしていますが、昨日ＴＶで見たひわの聖母の記者会見が行われた状態のままほったらかしなのはさすが。天井画はルーカ・ジョルダーノ「メディチ家礼賛」で一応見所ですが、ラファエッロ見てしまったあとではなんとも…。