2008年 10月 31日
転写法
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テンペラは大学3年のとき模写の実習をしたのち、自分の作品で油彩との混合技法を試したりしていましたが、純然たるテンペラ画は学生以来です。制作手順や肌色の表現法など、日本で教わった技法と全く同じなので、語学力がなくても先生の言っていることがよく分かるのが嬉しかったりして。
10月14日の日記で書いた下図の転写法は日本では未経験だったので紹介しておきます。
針で穴を開けたカルトーネをパネルの上に置き、ガーゼで包んだ顔料を刷り込む。
カルトーネをはがすと点が転写されているので、水を含ませた面相で点をつなぐようにしてなぞる。ボッティチェッリは線描を残す(または後で描き加える)タイプなので、ボッティチェッリになったつもりで(笑)伸びやかな線をひく。
線描終了。顔料を水でなぞっただけですが、石膏地に吸収されて意外としっかり定着しました。
実際にボッティチェッリがこの転写法を用いたかは確認できませんが、同時代の作品でレオナルド・ダ・ヴィンチ作とされる「イザベラ・デステの肖像」のカルトーネでも針穴と顔料を刷り込んだ跡があるように、15世紀後半に存在していた技法の一つです。
10月14日の日記で書いた下図の転写法は日本では未経験だったので紹介しておきます。



実際にボッティチェッリがこの転写法を用いたかは確認できませんが、同時代の作品でレオナルド・ダ・ヴィンチ作とされる「イザベラ・デステの肖像」のカルトーネでも針穴と顔料を刷り込んだ跡があるように、15世紀後半に存在していた技法の一つです。
by ryo_shiotani
| 2008-10-31 00:32
| フィレンツェ留学記