2020年 12月 31日
本年もお世話になりました。
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今年はコロナが深刻化する直前の3月始めに、岸田劉生に端を発した個展を、7月には久住有生さんとのコラボ展を開催することができました。自分にとって大事な展覧会とは言え、このような時期に個展のご案内をすることに大変な戸惑いがありました。しかしコロナ収束が見えない中、作家が活動を停止していても仕方がない、たとえ無観客でも行動しよう、というギャラリーとの話し合いのうえ、最大限感染防止につとめながら開催させていただきました。このような中お越しくださった方々、気にかけてくださった方々に感謝の思いでいっぱいです。本当にありがとうございました。
この秋は4つの展覧会に出品し、それぞれ発表できる有難みを噛みしめる機会となりました。最近の展覧会場の写真をアップいたしますので雰囲気を感じていただければ幸いです。
11/21~ホキ美術館「私の代表作」のフロア。3年に1回大作を収める機会をいただき、自由なテーマで各々が写実の可能性を探っています。僕は日本の様式に興味があり、それを油彩で表現する面白さや違和感を主題にしました。
11/28~ GALLERY KOGUREのグループ展「ULTRA OBJECT」。日本画、水墨画、油絵、木彫、彫金、漆芸、各界の超絶技巧の持ち主たちによる展覧会です。思わず息をのむ技巧のオンパレードですが、ひけらかすのではなく、技術が一歩下がってあくまで作家の眼差しが感じられるのは、それぞれのモチーフへの愛情あってのことでしょう。
12/4~ 京都国立博物館にて「artKYOTO2020」。僕は2017年に発表した竹の連画で参加させていただきました。 この荘厳な建物内で開催されましたが、万全なコロナ対策のため物々しい雰囲気。とても祭典という感じではありませんでした。来年のアートフェア東京は大丈夫だろうか…。
12/10~ 春風洞画廊にて「玄灯会展」。恒例の巨匠ばかりのグループ展に入れていただいております。
奥に見える作品は、石黒さんの分身する絵や等身大フィギュア。美術館開館10年で、写実表現は確かに多様化してきています。
僕の作品はこのほかにも5点ほど常設していただいており、来年5月まで開催しています。
モデルは実家の可愛い猫ですが、愛情だけだと絵が甘くなるので笑、野性的で普遍性を感じる猫の表情、表現を意識しました。
短時間会場を見学に行きましたが、現代アートの祭典なので主張する作品が多く、僕の絵はおそらく会場内でもっとも地味な表現でした。とは言え、このような他流試合の場に身を置くことは大変勉強になります。
ちょうど展覧会名にぴったりの雰囲気の絵になりました。花自体が発光しているような、幻想性とリアリズムの狭間の表現を目指してみました。
さてこのブログを書いている大晦日の夜6時、コロナ感染者数が深刻な状況になってきてしまいました。
どうか皆さま、お身体にお気を付けてこの難局を乗り越えてまいりましょう。
穏やかな新年をお迎えください。
by ryo_shiotani
| 2020-12-31 18:03