2009年 03月 09日
模写制作過程
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ボッティチェッリ「春(Primavera)」の部分模写の制作過程です。
石膏地にテンペラですが、この作品はウフィッツィの公式カタログにもあるように、脂肪(grasso)テンペラ、つまりテンペラグラッサと思われるので、卵黄1個に対しティースプーン1杯分のスタンドリンシード、ダンマルワニスを添加したものをメディウム原液としています。
ウフィッツィで作品を間近に見ると肌の重層的で緻密な表現や背景の濃度の高い絵具層、石膏地が透けて見えるほどあっさり描いた部分など様々で自由に描いている印象ですが、模写では試行錯誤しているうちに全体に約4層くらいになっています。ボッティチェッリの癖みたいなものが出るよう心がけました。
石膏地に原寸下絵を転写。spolvero(スポルヴェロ)法による転写方法はこちら。 全体に一層目の彩色。肌の部分にはヴェルダッチオ(テールベルトによる下層色)を引いておく。 二層目。肌部分はチタニウムホワイト、イエローオーカー、バーミリオンの混色で明部の浮き出しを行う。 三層目。ひたすらハッチング。 四層目。ほぼ仕上がり。テンペラらしい半マットの良い感じですが、実作のように強めにニスを引くと濡れ色になってまた印象が変わるでしょう。模写の難しいところです。
石膏地にテンペラですが、この作品はウフィッツィの公式カタログにもあるように、脂肪(grasso)テンペラ、つまりテンペラグラッサと思われるので、卵黄1個に対しティースプーン1杯分のスタンドリンシード、ダンマルワニスを添加したものをメディウム原液としています。
ウフィッツィで作品を間近に見ると肌の重層的で緻密な表現や背景の濃度の高い絵具層、石膏地が透けて見えるほどあっさり描いた部分など様々で自由に描いている印象ですが、模写では試行錯誤しているうちに全体に約4層くらいになっています。ボッティチェッリの癖みたいなものが出るよう心がけました。
by ryo_shiotani
| 2009-03-09 00:00
| フィレンツェ留学記