2013年 10月 26日
肌色とニスのこと
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実は現在、2006年の作品の修復中。額のアクリル板が絵の表面とくっついて剥がれたらしく、ちょうど顔の部分の絵の具が持っていかれ、下地が見えている。当時の肌色の調色をしていると、自分の絵とは思えない新鮮さがあり、ある意味面白い。
ちなみにその頃、仕上げにマイメリのアクリルワニスをかけていたこともあり、アクリル板とは仲良しこよし、合体してしまったようだ。さらに困ったことにこのワニス、加筆するとその部分にちりめん皺がよったり、全然乾燥しないので、加筆する場合は修復家よろしくワニスを除去しなくてはならない。
そんなこんなで、現在はケトン樹脂等の修復にも使われる合成樹脂を薄めて仕上げニスとしています。合成樹脂は乾燥するとカラッとしてベタつきもなく、黄変しないので仕上げにもってこい。いざという時加筆もできます。逆に制作中のルツーセは天然樹脂派(ダンマル樹脂)。ベタつきが上層絵の具の食い付きをよくしてくれる(気がする)。
by ryo_shiotani
| 2013-10-26 00:00