塔の街サン・ジミニャーノへ。シエナとフィレンツェの中間くらいの位置にあり、14本の石積みの塔が立ち並ぶ様子はどこか幻想的。これがかつては70以上も林立していたというから驚かされます。12世紀には都市国家として栄えたが争いが絶えず、防御塔と監視塔を兼ねて建てられたらしい。
ドゥオモに向かっていると何かのパレードか民族衣装に身を包んだ行列に出会った。するとこの行列、みなドゥオモ広場に集結していき、ドゥオモ、ポポロ宮殿には一般人は立ち入れないようになってました。時間を置いて再び向かうと、今度はドゥオモを貸しきって結婚式をしているとのこと。贅沢~。
ドゥオモにはギルランダイオのフレスコがあり残念ながら拝見できませんでしたが、その後行ったサンタゴスティーノ教会のゴッツォリ「聖アウグスティヌスの生涯」のフレスコ画がみずみずしい色彩と細部にいたる描写が圧巻だった。ゴッツォリ、日本ではほとんど無名ですが、フィレンツェのメディチ・リッカルディ宮殿の素晴らしい三王礼拝といい、すっかりファンになってしまいました。
街の目抜き通りには名物のトスカーナ焼きのお店がたくさん。どこの店も似たような商品、ではなく、店によって絵付け職人が違うので好みの柄を探すのが楽しい。でも割れ物は日本に持って帰ることを考えると躊躇してしまいます。
この地方はサラミ、生ハム本当に美味しいですが、ちょっと切なくなるディスプレイ。
街を離れてみると塔が立ち並ぶ様子がよくわかります。それにしてもこの小さな街に70本も塔が建っていたと思うと不思議。監視しすぎです。
この後再びシエナ方面へ戻り、鉄道もバスも通ってない秘境の地、サン・ガルガーノの教会へ。
陽も落ちたばかりのサン・ガルガーノに到着。ライトアップされてて有難い。この教会何処か変だと思いませんか?
そう、屋根がないんです。13世紀に建設されたものの、16世紀には崩れ始め、今では野原にたたずむ廃墟になってしまいました。しかしだからこそこの幻想的な空間!
聖堂内正面には舞台が設営準備中でした。ポスターが貼ってあり、7月の土日にオペラを上演するとのこと。こんな空間でオペラを鑑賞できたらまさに真夏の夜の夢になりそう…。